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危険が迫っているのに、人は何故逃げないのか?

みなさんは、いつか日本に大きな地震が来ると思いますか?
ほとんどすべての人が『はい』と答えると思います。

しかしこの事実を耳にした事があるにも関わらず、いざ有事の際に逃げ遅れる人が多くいます。
それはなぜか?その理由を解説していこうと思います。

身に迫る危険(30年後までの地震の発生確率)

日本で今後30年間に巨大地震が起こる可能性は、70~90%という研究結果が出ています。みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

海溝型地震の評価結果(地震発生確率)

30年後までに地震が発生する確率を示しています。確率の高いところで90%となっています。

出典:地震調査研究推進本部事務局
(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)

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しかしこの事実を耳にした事があるにも関わらず、逃げ遅れてしまう。それはなぜか?
それは人間特有の心理 認知バイアス が働いているからです。

認知性バイアス

この言葉を聞いたことはありますか?下はウィキペディアの解説です。


認知バイアス(にんちバイアス、英: cognitive bias)とは、認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題である。また、これが動因となって虚偽に係る様々なパーソナリティ障害に付随するため、謬想ないし妄想などを内包する外延的概念に該当する。転じて認知バイアスは、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪める。


出典:ウィキペディア(Wikipedia)

少し難しいですが、要は『勘違い』や『思い込み』の事です。
冷静に考えると全く合理的ではないのに、自然とそのような勘違いをしてしまう人間の心理です。

このバイアスはいくつか種類があり、代表的な例にアンカリングバイアスというものがあります。

  (例)

  • 彼女は女子大生なのに、キャバクラで働いている
  • 彼女はキャバ嬢なのに、大学に通っている

この2つの文章どう感じますか?前者は『遊び人』と感じて、後者は『頑張り屋』と感じてしまいませんか?でも冷静にみると全く同じことを言っています。話す順番が逆になっているだけです。

人は最初に受け取った情報を重要視してしまうのです。アンカリングというのは、゛いかりを下ろす゛という意味で、最初の情報にいかりを下ろしてしまい、その後の物事の考え方の基準にしてしまう人間心理です。

これはマーケティングにも使われていて、同じ商品の表示価格で元々1,000円のものと、2,000円からの半額引きの1,000円ではどちらの方が売れると思いますか。
当然半額の方ですね。2,000円に基準を置かせてから値引くことで『安い』と思わせる事が出来ます。

これは認知バイアスの中のアンカリングという1つですが、他にもたくさんのバイアスがありどれも心当たりのあるものばかりです・・・。詳しくはまた別の記事で紹介しようと思います。

それではこの認知バイアスが、逃げ遅れる事にどう影響してくるのでしょうか。

正常性バイアス

原因として最も影響が大きいのが、正常性バイアスという認知バイアスの一種です。
簡単に言うと、目の前に大きな危険が迫っていても、日常生活の延長線上という考えから切り替えられずに『まだ大丈夫』『大したことない』と根拠の無い自信を持ってしまうことです。

出典:ユーチューブ 
※『 災害時の心理 正常性バイアス 同調性バイアス 』具体例 幸いなことに誤報でした 2018年12月16日(日)武蔵野の森総合スポーツプラザ 天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会

これはユーチューブに投稿されている正常性バイアスがよくわかる動画です。バレーの試合中に警報が鳴り始めましたが誰一人逃げるそぶりすらありませんね・・・・。

危険を感じ取ってその回避行動を素早くとれる人は、思いのほか少ないといわれており、その結果としておおくの人々が被災している現実があります。命に関わる場合は最悪のケースを想定して行動すべきなのに、実際のには最善のケースを考えて行動してしまう。

こんな心理が知っていれば、避難に迷ったときに『これは正常性バイアスじゃないか?』と気が付けば『念のために逃げよう』という判断が出来るかもしれません。

これが、人が逃げないと言われている原因です。しっかりと頭にいれて行動したいですね。

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