いい波の定義は人それぞれ、
とにかく大きな波に乗りたい人もいれば、小さくても綺麗な波が好きない人もいます。
どんな条件なら自分好みの波になるか知って、その波を探しに出かけるのもサーフィンの醍醐味の一つです。
そこで、この記事では波の基本的な知識を紹介していきます。
・波がどのように生まれるか
・波の部位名称
・海底の地質による波質の変化
・海底の地形による波質の変化
・タイドでブレイクする位置、大きさが変わる
・風の向きで海面が変わる
波はどうして起こるの?
そもそも波がどこで生まれているのか?
波は沖合で吹く風により始まります。
低気圧などで起こる強い風が海面を荒立たせて波風を起こします。
この波風が波紋状に海水を伝わっていき、数千キロという距離を移動し続けます。
その中で他の波と出会い、まとまってエネルギーを蓄えながら大きな波に変わっていくのです。
その波が、浅い岸付近に近づいていく事で水面が盛り上がり、限界を迎えるとブレイクします。
これが波の一生です。
波の各部位の名称
- ショルダー(Shoulder)
波の肩、波が立ち上がり始めていく先 - フェイス(Face)
波の斜面、基本的にこの部分を使って滑走する - ボトム(Bottom)
波の底に位置するフラットなエリア - リップ(Lip)
波がブレイクする寸前のトップエリア - カール(Curl)
リップが崩れ始めて、波が巻いているところ - スープ(White Water)
波が崩れた後の白い波
海底の地質で波質が変わる
サーフポイントの海底の地質によって、波の質は大きく変化します。
主に砂地、岩場、玉石の3種類がメインでそれぞれの波質を解説します。
- ビーチブレイク(Beach Break)
海底が砂地のポイントを「ビーチブレイク」と呼びます。
比較的緩やかなメローな波質になり易く、海底も砂地でクッション性があるので初心者でも安心。
「サンドバー」と呼ばれる砂の盛り上がった部分が最初にブレイクするピークとなります。
砂なので動きやすく、ブレイク位置がその時々で変わる特徴があります。 - リーフブレイク(Reef Break)
海底が岩やサンゴ礁などのポイントを「リーフブレイク」と呼びます。
固定された硬い地面にぶつかるので、パワフルで規則的な波を生み出すのが特徴。
硬い海底+サンゴ礁・貝・ウニなど、素足で踏んでしまうと怪我をするので、中級者以上のポイントになります。 - 玉石ブレイク
海底が石や砂利が混ざり合ったポイントを「玉石ブレイク」と呼びます。
河口ポイントなどでよく見らえるブレイクで、ビーチブレイクとリーフブレイクの中間の特徴を持ちます。
以上が、代表的なブレイクの種類です。
海を旅してきたうねりが、このような海底にヒットする事で様々な波質となってブレイクしていきます。
海底の地形で波質が変わる
地質が波に与える影響を説明しましたが、実は地形の方がより顕著に波質に現れます。
地形がどう影響するのかというと、
単純で「海底の浅い場所の方がブレイクしやすく、深い場所ではブレイクしづらい」という特徴があります。
「急激に浅くなると、波も急激に掘れ上がるようなブレイク」
「緩やかに浅くなると、穏やかなメローなブレイク」
という地形の特徴を、そのまま波に反映した波質になりやすいです。
日本ではビーチブレイクが多いので、特に地形の変化(砂の付き方)が重要になります。
よく、「地形がキマる」などと表現しますが、これはサーフィンに適した波がブレイクする地形になっているという意味です。
逆に「ダンパー」は、一気にブレイクしてしまい滑るフェイスが残っていない波や、地形を指す言葉になります。
タイドでブレイクする位置、大きさが変わる
地球の自転の遠心力と月の引力により、海では潮の満ち引き(タイド)、
つまり海面水位が常に上下に動いています。
この動きが波に、大きな影響を与えます。
なぜ影響を与えるのか?
2つの理由があるので紹介していきます。
ブレイク位置が変わる
タイドの状況によって水面の高さが変わる事で、波のブレイクする位置が変わってきます。
上の図では、右はハイタイド(満潮)、左はロータイド(干潮)のイメージを表しています。
- 右のハイタイド時
なだらかな斜面の海底でブレイクする、緩やかなメローな波 - 左のロータイド時
急激に浅くなる海底でブレイクする、掘れ上がる力強いホローな波
このように、ブレイクする場所が異なる事で、波質が大きく変わる場合も少なくありません。
リーフブレイクは地形が固定されているので、どのタイドでどんな波が割れるか分かりやすいですね。
ビーチブレイクの場合には、砂の付き方次第でベストタイドが変わります。
一般的にはロータイドがベストになる事が多いように感じますね。
この事を頭に入れておくと、いい波を見つけやすくなります。
情報収集して、ベストタイドの時間帯を狙うようにしましょう。
タイドが動くタイミングは波が大きくなる
もう1つは、
タイドが大きく動く時間帯は波が大きくなる傾向があります。
逆に、「潮止まり」と呼ばれる満潮や干潮のピークで、タイドが動かなくなる時間には波が小さくなります。
上の表は潮見表で「潮止まり」を赤色で示しています。
この時間帯は波が小さくなる傾向がありますので、波が小さい日は避けたほうが無難です。
逆に、ブルーで示した時間帯は波が大きくなるので、ここがいい波になりやすいです。
さらにこの画像は「大潮」と呼ばれる最も潮が動く日になりますので、波の反応が更によくなります。
風の向きで海面が変わる
風は海面の状況に大きな影響を及ぼしてします。
ガラスの様な、なめらかな水面(サーファーは”面ツル”と呼びます)で最高のコンディションの日もあれば、葛飾北斎の絵の様に荒れ狂う波も存在しています。
どういった条件で、そのようになるか説明していきます。
- 無風(No Wind )
文字通り風が吹いていない状況のこと。
海面は「グラッシー」や「面ツル」と呼ばれるガラスのような状態となります。
サーフィン中に無駄な抵抗を受けないので、気持ちいいライディングが出来ます。 - オフショア(OFF Shore)
陸から海に向かって吹く風をオフショアと呼びます。
波の進行方向に対して垂直に風が入るので、波が綺麗にシェイプされサーフィンに適したクリーンな波になります。
しかし、強すぎると波に乗る際に「風でサーフボードが降りて行きづらい」・「水しぶきで目を開けていられない」など難しいコンディションになる場合もあります。 - サイドショア(Side Shore)
真横から吹く風です。
波のサイドから風が吹き付ける事によって、異なる方向の波が混ざり合い海面が荒れてしまいます。サーフィンには適さない風です。 - オンショア(ON Shore)
海から陸に向かって吹く風のこと。波の後ろから風が吹くのでつぶされるように荒れてしまいます。 - サイドオフ・サイドオン(Side Off・On)
斜めから入る風を、それぞれの言葉を組み合わせて「サイドオン」や「サイドオフ」と呼びます。
サイドオフなら、サーフィンを楽しめる事が多いです。
逆のサイドオンですと、コンディションが悪化していまいます。
サーフィンする場所を選ぶ時は、風向きをチェックしてオフショア方向になるポイントを選びましょう。
ポイントによっては堤防などがあって、サイドショアをブロック出来たりする場所もあります。ポイントの特徴を把握しておくのも重要です。
ちなみにサーファーってものすごく早起きのイメージがありませんか?
その理由は「風が弱い」からです。
早朝は風が弱く波質がいい事が多いので、日が明ける前の早朝から海に飛び込んでいきます。
まとめ
・沖合で生まれた風波が集まって1つの波になる。
・地質/地形/タイドによって波質が変わる。
・タイドによって波の大きさが変わる
・風によって海面が変わる
この様に複雑な条件によって波が変化していきます。
「同じ波は二度と来ない」という言葉がありますが、こういった理由からですね。
ですが・・・
これだけの条件を把握して、いい波を探すのはかなり大変です・・・。
ではみんなどうしているか?
私が知る限りほとんどのサーファーが、有料の波情報サイトに登録して情報を得ています。
この波情報は、現時点の波コンディションはもちろんですが、
今後の波予測(サイズ・風・タイド)・水温・ポイントガイド・注意点などの情報が掲載されています。
サーフィンを行う上で必要な情報が詰まっていますので、是非登録しておくことを、おすすめします。
月々300円なので、安くておすすめです。
ケチっていい波を逃すなんて馬鹿らしいですからね。
以上、波の基礎知識でした!
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